かって気ままに ・・・

還暦を過ぎたITエンジニアの独り言。

かって気ままに

アリの真実

これは、京都大学名誉教授で動物行動学者の「日高 敏隆」氏の有名な話である。
日高さんは、ヨーロッパで動物行動学が興るのと同じ時期にこの分野に飛び込んだ草分け期の研究者であり、日本に動物行動学を最初に紹介した研究者の一人でもある。

今日は、日高さんの本の中からリーダーについて示唆する部分を抜粋し考えてみたい。

アリは働き者だといわれているが、よく観察すると、その内の20%は確かに働いているが、80%はただウロウロとしているだけだそうだ。

では、働きアリばかりを集める。大精鋭集団になるだろうと思っていると、ちゃんとその内の80%が怠けだした。また怠けたアリだけを集めて、これは怠け者集団だからしょうがないなと思っていると、その内の20%が働きだしたという。

つまりアリ一匹ずつの問題ではない。このアリは働きアリ、これは怠けアリということではなく、周りとの係わり合いで、働きアリになったり、怠けアリになったりする。

人間も同様で、この人は働き者とか怠け者とか簡単に言い切れないと思う。そして、周りとの係わり合いで、働き者になったり怠け者になったりするのではないか・・

周りとの係わり合いとは、絞っていえばリーダーとの係わり合いである。組織の中で部下を後ろ向きにしてしまう最大の阻害要因は、リーダーの「人音痴」ではないか?。人間がわからない人がリーダーになると、必ず人は死んでしまいます。

すべてはリーダーから始まる。リーダーは、自分から始まる。「どんな私だったら、人は私と働くことを喜ぶか・・」ということを自分に問い続ける。これがリーダーの最も大切なことではないだろうかと思う。

私は、日頃から企業の中で「人の生かし方」について非常に疑問に思っている。簡単にいうと、数値やグラフで比較して昇進昇格、あるいは左遷という脅かしで人を生かそうとする。

以前、「人は力で動かすものではなく、心で動かすもの・・」という記事を書いた。リーダーのみなさんに問いたい。みなさんの部下は、毎日どのような気持ちで会社に来ているか・・

みなさんの職場は、「朝、会社に出て行くのは楽しい!」と思うものになっていますか?

では、それはどんな職場か。一言でいえば、「わかってくれる上司」がいる。これに尽きるのではないだろうか・・。