かって気ままに ・・・

還暦を過ぎたITエンジニアの独り言。

かって気ままに

「SEに求められるスキル」

私は、スキルとは知識と経験が合わさって身に着くものと信じています。
従って、知識だけあっても、それを他人のために活かせなかったら何にもなりません・・
昔、スキルをテーマに講演した時の原稿の一部です。
SEに対する期待が高まっていますが、中々それに応えられていないのが現状の様な気がしております。

 

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SEに求められるスキル

 

PMの活用において留意すべきこと

1 はじめに

 PMには二つの意味がある。一つはプロジェクトマネジメントである。もう一つはプロジェクトマネジャーである。ここではプロジェクトマネジメントの活用とプロジェクトマネジャー人材の活用という二つの面から考えてみたい。

 プロジェクトマネジメントの活用という面では先ず「プロジェクトマネジメントの考え方」そのものを様々な職務遂行において活用するということがある。次にプロジェクトマネジメントにおいて先人が残した「手法」の活用がある。最後に「プロジェクトマネジメントによって達成された成果」の活用がある。

 次にプロジェクトマネジャー人材の活用という面で見ると先ず一つのプロジェクトにおける「プロジェクトマネジャーのアサイン」である。次に活用できるプロジェクトマネジャー人材集団を作るという意味で「育成」がある。最後にこのような人材を単にプロジェクトマネジャーとして活用するだけでなく「多様な場面における活用」がある。

 PMの活用に当たってキーになるものはPMを活用する立場にある人間である。この立場の者がPM活用の本質を認識していない場合、PMは無力である。特にプロジェクトマネジャーの活用では重要である。通常この立場の人間は企業においてはトップマネジメントとか経営管理者といわれることが多い。この立場の者に要求される資質と心構えについて最後に触れる。

 

 2 プロジェクトマネジメントの活用

 2.1 プロジェクトマネジメントの考え方の活用

 プロジェクトには目的がある。この目的を現実的な意味での目標にしたものに、クリアすべき制約条件がある。プロジェクトマネジメントの本質はこの目的を達成するためにプロジェクトに投入される人、もの、金 情報、時間などの資源を最高度に有効に活用することである。いわば「目的の方向に対してこれらのリソースのベクトル和の最大化を図ること」である。ベクトル和の最大化を達成するためのポイントは、ベクトルの方向を決める目的の徹底的な認識(本当の意味での実感のこもった目的の見える化)とリソースの特性を把握した上での目的との結びつきを図ることである。リソースは大きく分けると3つに分かれる。一つは使えばなくなるもの(該当時間帯では使えなくなるもの)で、これには「ひと、もの、かね」がある。二つ目に使っても使わなくてもなくらないものとして「情報」がある。最後に使っても使わなくてもなくなってしまうものとして「時間」がある。そして「人、もの、金」の中で「もの、金」は時間が経過してもほとんど変化しないが、「人」だけは変化(退化、あるいは進化)する。プロジェクトマネジメントにおいて「目的の方向に対してこれらのリソースのベクトル和の最大化を図ること」という本質的な考え方は、プロジェクト推進だけでなく、日常の業務における行動の指針として有効である。

 2.2 プロジェクトマネジメントに使われる手法の活用

 プロジェクトマネジメントにおいてはこれまでに様々な手法が開発されてきた。例えばガントチャート(バーチャートともいわれる 1900年初頭)、CPM(Critical Path Method 1950年代)、EVM(Earned Value Management 1960年代)、CCM(Critical Chain Management 1990年代)などに代表される手法が提案され、活用されて大きな成果を上げてきた。ガントチャートの特長は、そのわかりやすさである。一見しただけで、日程計画の内容がわかる。CPMは時間的にネックになる作業を計画時点において、論理的に明快に見えるようにしてくれることとフォローにおける重要なクリティカルパスを教えてくれる。EVMはコストと時間を総合的にとらえて、割り切った形で未来(最終完了時の時とコスト)を予測できるようにした。CPMにおけるクリティカルパスとEVMにおける予測を考慮するとほぼプロジェクトの現状と将来の予測が可能になる。CCMはCPMの論理性に、人間心理やリソースの制約などのファクターを加え、より現実な示唆を与えようとしている。

 これらの手法を活用するにあたって、重要なことは、それぞれの手法の詳細な計画(計算)手順を習得することよりもその手法が狙っている目的をきちんと理解することである。その上で実際に適用できるかどうかを検討することである。手法の細かい内容に惑わされてはならない。マネジメントにおける手法とは碁でいえば定石である。定石を覚えたからといって碁が強くなるわけではない。実際の局面においてどの定石が有効か、また定石以外の手の方がよいかを判断する力が碁における力である。定石や手法の本質は、それがなければ先を読むことが困難な場面で、「先を読む」ということを楽にしてくれることである。その後の展開は当事者自身の問題である。手法がマネジメントしているのではない。マネジメントするのは、当事者本人である。手法は使うためにある。手法に使われてはならない。

 2.3 プロジェクトマネジメントによって達成された成果の活用

 一つのプロジェクトが目標を達成した(制約条件をクリアした)とき、そのプロジェクトは成功したといわれる。しかしプロジェクトが成功裏に終了したとしても現実の世界はそこから次の展開がある。これはプログラムマネジメントでいわれていることである。したがって、このプロジェクトの成果をどのように活用して、展開させていくかは単なるプロジェクトの成功よりも重要である。

 プロジェクトの成果を活用するためには、母体組織全体の大きな戦略の中でのそのプロジェクトの位置付けを明確にすることである。この位置付けが明確でない場合、プロジェクトは成功したけれど、その成果は母体組織になんら貢献しないことになる。

ここで重要なことは「位置付けを明確にする」立場にある人間の視点である。この人間がより広い目で見ている、すなわち母体組織を、その外側から診るという視点が要求される。この視点を持たず、母体組織の内側から見ているとか、極端な場合はプロジェクトの成功ばかり願って、その後のこととか、プロジェクトが失敗した時のことを想定した対応を考慮していない場合、プロジェクトは成功しても、母体組織にはなんら貢献しないであろうし、失敗したら母体組織は大混乱に陥るであろう。このような事態になった時、その責任をプロジェクトマネジャーに押し付けている母体部門長がいるが、そのような長の下にある組織はプロジェクトの成果を活用することなどは到底できない。

 

3 プロジェクトマネジャー人材の活用

プロジェクトマネジャー人材の活用においては先ずプロジェクトマネジャーのアサインがある。またこのような人材を作るという意味で「育成」の課題がある。そしてこのような人材をどのような場面に活用するかいう側面がある。

3.1 プロジェクトマネジャーのアサイ

プロジェクトが成功するかどうかはプロジェクトマネジャーのアサインで大きく左右される。母体部門長がこのアサインを安易に考えて、空いている人間とか、単にプロジェクトを経験したからという理由でアサインしているような母体組織では、偶然の成功はあっても見通しある成功はできない。母体部門長にとってこのアサインは真剣勝負である。この人間ならばできるという確信あるもの、将来プロジェクトマネジャーになると思われるものを選ばなければならない。「そのような人材は払底していて、いないから仕方なく他のものを選んでいるのだ」という言い訳を聞くことは多い。しかしこの場合最も悪いことは、駄目だとか、力不足のものを選んだという気持ちがありながら、その後の意識的ウォッチをしていないことである。プロジェクトマネジャーが力不足のために、プロジェクトが順調にいかないケースは多々ある。しかしそれが、プロジェクトマネジャーが力不足というだけで「プロジェクト崩れ」にまで陥る確率はそれほど高くはない。「プロジェクト崩れ」に陥るケースで最も多いのはプロジェクトマネジャーの力不足に加えて、母体部門長が力不足を無意識のうちに感じながら、そのプロジェクトを意識的にウォッチしないで、便々と時間を経過させてしまい、手遅れにした時である。

3.2 プロジェクトマネジャーの育成

3.1でも触れたが、プロジェクトマネジャー人材は不足している。したがってこの人材育成は急務である。しかしこの育成は非常に難しい。マネジメント人材育成の場合、単純にその人材だけに焦点を絞っても、あまりうまくいかない。マネジメントには必然的にマネジメントする対象(主として人間)があり、その対象のコンテキストと合わなければ、どんなにマネジャー本人が優秀だとしても受け入れられない可能性が高い。したがって先ず母体組織の風土の改善が必要である。風土とはその組織に歴史的に培われてきた文化である。この風土にプロジェクトマネジメントの考え方を沁みとおらせなければならない。その最善の対策は母体部門のトップ自身がその考え方に基づいて行動することである。しかも線香花火や瞬間湯沸かし器的ではなく、しつこく、いつまでも(自分がその任にいる間)行動することである。

次に風土の改善と並行して、マネジメント人材とスペシャリスト人材の注意深い選定である。そしてマネジメント人材に選定したものに対して、きちんとしたプロジェクトマネジメント教育をする。その中にはP2MやPMBOK等の受講も当然含まれるが、より重要なことは実践としてプロジェクトをマネジさせ、そのフィーバックを取り、次の成長段階を踏ませるようにすることである。もちろんスペシャリスト人材としたものに対しても、その専門とは別に、プロジェクトマネジメントの考え方は植え付けておかなければならない。このことは組織の風土を作る上で重要なことである。

母体部門全員がプロジェクトマネジメントの考え方を認識していれば、そうでない組織よりもプロジェクトマネジャーの職務は、より容易になるであろう。一見してプロジェクトマネジャーが不足しているように見える組織は、マネジャーが不足しているのではなく、それを受け入れる風土ができていない場合が多い。底辺が充実していなければ先端は大きくならない。

3.3 プロジェクトマネジャー人材の多様な場面における活用

プロジェクトマネジャー人材は単にプロジェクトマネジャーとして活用するだけでなく、どのような場面でも活用できる。例えば日々の入出金を管理する会計業務においても有用である。会計業務とは何を目的としているか、そのために何をしなければならないか、それをどのようにすべきかを考えるだけで日々の行動がルーチンワーク指向ではなく、目的志向になっていき、必然的に業務改善がなされていくであろう。

このようにどんな場面でもプロジェクトマネジャー人材は活用できるが、特に有効なのは企画業務を担当する部門や、管理スタッフ部門である。逆にこのような部門にPM的思考がない場合、その組織体には旧来のしきたり重視やセクショナリズムや、自己保身と権力志向の蔓延した世界が展開されるであろう。

 

4 プロジェクトマネジャーを活用する立場にある人間に要求される資質と心構え

プロジェクトマネジャー(以下ではこの意味でPMという)人材を活用する立場にある人間は通常その組織におけるトップである。企業においては、それは経営管理者といわれることもある(以下母体部門長という)。2.3や3でも述べたが、この立場にある人間の重要性はどんなに強調してもしすぎることはない。日本の最も大きな弱点はPM人材の不足ではなく、この立場の人間の自覚不足である。このためせっかくのミドル以下(PMクラス)の成果をまとまった大きな成果にできない。

母体部門長としてPMを活用するにあたって留意しておかなければならないことは

① プロジェクトの目的と成果の明確化

何のためにプロジェクトを発足させたかを明確にし、その視点からプロジェクト成果をきちんと評価すること

② PMに何を任せ、自分は何に責任を持つかを明確にする。そしてPMとの間にこの認識を共通化させる。そしてその視点から徹底的にプロジェクトを見る。

③ いざというときどうするか

プロジェクト崩れになったとき、母体部門長としてどうするかの覚悟をしておく。そのためにはリスクの階層を認識する。PMが認識するリスクは「プロジェクトが崩れるかもしれない」というレベルであるが、母体部門長としてはプロジェクト崩れが発生したとき、母体部門に対してどのようなリスクがあるか。それが母体部門と関係するステークホルダー(広くは社会や地球環境)にどのような影響を及ぼすかを考慮しておくことである。プロジェクト崩れが起こったとき、どこかの大臣のようにオロオロしたり、担当PMを詰るばかりの母体部門長は長をする資格がない。

プロジェクトがうまくいかないで、PMにその要因が実際あった場合、当然責任はPMにある。しかしここで重要なことは、そのPMをアサインしたのは母体部門長だということである。この「アサイン責任」はPMの責任より大きいということを自覚できなければならない。アサインした人間が外野と一緒になって、PMを非難しているのはおかしい。このような醜態を演じないためにも、3.1でも述べたが、「PMのアサインは真剣勝負」と考えることである。このためには「人を見る目」が重要である。しかしこれはどんなに努力しても確実に見極められるという保証はない。ハウツー的な知識で人を誤りなく評価することは困難である。あくまでも母体部門長の「虚心坦懐に見る」姿勢が基本である。

以上を踏まえて母体部門長の心構えを挙げる。

① 常に基本に返る。トリッキーなことを狙ったり、ごまかしで物事を処理しないように常に自分を顧みる。

② 短期的成果に拘らず中・長期的な組織の業績改善を目指す。

現代は物事が短期的視点からやり取りされている。しかし実際の行動が短期的だからといって、思考まで短期的になってしまっては、落ち着きがなくなり、焦りが生じ、そこから出てくる成果は瞬間的なものになり、将来の発展性はない。母体部門長が焦っていて、その部門がまともな成果を出せるはずがない。中・長期的視点から忍耐力を持って事に当たることが肝要である。

③ 知らないことを恐れるな。焦るな。逃げるな

現代は情報過多の時代である。したがって必要な情報を一人ですべて持つことは不可能である。情報はそれを持っている人から取ればよい。要は何のためにどんな情報を取るのかを認識していることである。

④ 常に「目的の認識」と「目的を判断/意志決定の原点」とする

⑤ 常に目的から見たプライオリティを考慮する

⑥ イマジネーションを働かせる

イマジネーションの原点は現場感覚である。常に現場の視点をバックにする。

 以上母体部門長に対する留意事項を述べた。再度強調したいが、日本が最も弱いところは母体部門長である。世の中の落ち着かない、短期的な変動に右往左往することなく、母体部門長が自ら自分の部門の目的を自覚し、環境と位置づけを俯瞰的にみて、その中でPMの思考法とPM人材を、忍耐をもって活用するならば大きな成果を上げることができることは確実である。

 

5 おわりに

 日本は現在少子高齢化、経済の長期的な低迷、財政危機、東北大震災に代表される自然災害に見舞われる等、重大な局面に立っている。それに対して多くの人たちが真剣に立ち向かっている。しかしまだ曙光が見えるというところまでは至っていない。この時期それぞれの場面において2、3章で述べたPMの活用が考えられる。この活用に当たって最も肝要なことは、それを活用する立場にあるもの(国会議員、政府大臣、各組織体トップ層、管理部門スタッフ等)の、日本の弱点は自分たちクラスにあるという責任の自覚とPM的思考とそれに基づいた行動ができるようになるための徹底した自己研鑽である。是非ともその方々が大きく成長して「日本復興」という壮大なプログラムを成功させてくれるよう期待したい。

GIGO (Garbage In, Gospel Out)

昔、オフコンが多く使われ始めた頃、日本青年会議所の依頼で講演したことがあります。
GIGOはその時に使った言葉で、「ゴミを入れれば、ゴミが出てくる」と。どんなに良いシステムでも運用を間違えるとただの箱!を皮肉った物です・・。

先日書いた「新型コロナ接触アプリ(COCOA)」ですが、8月27日時点でのダウンロード数は、1,518万で陽性登録者数は445件だそうです。
非陽性者しか利用していないとなると接触確認もできなく、意味がないアプリになってしまいます・・。

また、新型コロナ対応で医療機関と保健所間がファックスなどの「紙ベース」でやり取りされていることも露呈しました。
今さら紙ですかぁ・と思われた方も多いと思います。でも、それが現実です。

厚労省は、新型コロナ感染者のデータを一元管理できる新システム「HER-SYS(ハーシス)」を5月から稼働させています。
しかし、新たに次の課題が浮かびあがっています。
 ①医療機関からの入力が進まず、保健所の負担が軽減されていない。
 ②入力情報の正確性に疑問がある。

どんなに素晴らしいシステムでも使うのは人間です。システムを取り巻く全体の最適化設計も併せてやらないとただ「お金をドブに捨てる」ことになりかねません。
これら背景には、IT業界の構造的欠陥もあります。
国は法整備を含め、この体質にメスを入れないと益々IT後進国になります。

濃厚接触・・??

皆さん、接触確認アプリ(COCOA)は入れていますか?

私も7月にインストールし、外出から帰ったら必ず確認をしています。

昨日、病院の待合室で確認したら・・
始めて「陽性者との接触が確認されました!」と表示されました。

画面指示に従ってフリーダイアルに電話したら全く繋がりません!
次に保健所のコロナ窓口に電話したら、「そのアプリは誤動作することが多いんです・・」と一言。
一応体調を報告し様子をみてください・・で終わってしまった。

接触は9月7日なので、その日は団体の役員会議で、会議後会食があったのでその時に感染したのか・・?と心配しました。
今のところ熱も無く、食事も美味しいので連休はおとなしく自宅で過ごそうと思っています。

皆さんも気を付けてください。

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命名規則

プログラミングでは色々なルールが必要です。

その中でも気を付けていることが「命名規則」です。
これにより、コードの読み取りと理解が容易になります。

皆さんはどの様にされているでしょうか・・?

私は、次の様な接頭辞を付けています。
・A := 引数(Argument)
・F := フィールド(Field)
・T := 型(Type)
・E := 例外(Exception)
・I := インターフェース(Interface)
・L := ローカル変数(Local Variable)
・G := グローバル変数(Global Variable)

例えば、procedure/functionの引数には接頭辞「A」を付けます。

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constructor TPerson.Create(AFirstName, ALastName: string);
begin
  FirstName := AFirstName;
  LastName  := ALastName;
end;
 

重要なのは、すべてのコードで一貫していることです。
コミュニティとしての一貫性があると、お互いのコミュニケーションがはるかに簡単になります。

人は力で動かすものではなく、心で動かすもの・・

昨日のNHKの大河ドラマ篤姫」を、ご覧になった人も多いと思う。
この言葉は、ドラマの中で勝 麟太郎(りんたろう)(後の『勝 海舟』)が、小松 帯刀(こまつ たてわき)に言った言葉。

幕政改革に意欲を燃やす島津 久光(島津 斉彬の弟)が、勅使を伴い江戸へやってきたが、幕府の老中たちは、のらりくらりと態度を明らかにしない。久光の命で、刺客を率い無理矢理、老中に勅命を受け入れさせた事に対する批判・皮肉を言った言葉である。
実際に勝がそのような言葉を言ったかは定かでないが、番組を見ていて「なるほど・・」と思ったのは私だけだろうか?

毎日、テレビで企業の不祥事が報道されない事はない。これらの報道を聞いていると、本当に日本の行く末を憂いてしまう・・。

人間は、権力を得るとそれを「人を動かす手段」として使う。権力を笠に着た「無理な人事」をやったりする。しかし、その人事が失敗と分かっても、それを認めようともしない・・。 愚かな事である。

この様な人間ほど、権力という鎧(よろい)を脱いだとき、今までと違って無力化していく・・。 私も、今までこの様な人間を何人か見てきた。

会社での役職が上がっていくと、権力と同時に使える(決済できる)お金も大きくなる。私は、上に行けばいくほど「自らが襟を正す!」姿勢が重要だと思っている。

決して「力では人は動かない」し、仮に動いたとしてもそれは一時的なもの。権力者がいなくなれば、すぐに崩れてしまう。それよりも、人の心に染みる言動でやりたいものである。

品性(ひんせい)

ピーター・ドラッカーは「現代の経営」の中で、次のように述べています。

経営者がなさねばならない事は学ぶ事が出来る。しかし経営者が学べないがどうしても身につけていなければならない資質は天才的才能ではなく、その人の品性だ

管理・運営のテクニックは、教える事ができるが、品性は教える事が難しいと書いている。

「品性」とか「品位」あるいは「上品」といった言葉は、日常生活でもよく使われるが具体的なイメージとしてはなかなか描き出しにくい概念です。

辞書を調べても「道徳的基準から見た、その人の性質」と中々理解できない・・。
私は、「品性がない人」の一例を挙げると次のタイプだと思っている。

①目上の人には諂(へつら)い、目下の人に傲慢(ごうまん)な態度をとる。
②相手の立場や能力を認めようとせず「思いやり」に欠ける。
③度を越した金銭欲、物欲、権力欲、支配欲、性欲・・とそれに対する自制心がない。
④自分自身の確固たる価値観すなわちアイデンティティがなく、目先の利害だけを追求する。

品性を身につけることは、決して容易なことではないが、ある程度までは誰でも、心構え次第で身につけることは可能であると考えている。

そして、個々人がほんの少しずつでも自分の品性を高めることができたなら、会社生活やプロジェクト推進においても快適さが高まると思っている。

真に優秀な人には品性がある。リーダーは、確たる信念を持ち、自分を信じ、常に周りに気遣いや思いやりを向けられるような「品性」を身に付けていただきたい。